連載「病と生きる」 尊厳が損なわれるとき2018.07.01 その日は少し呻き声が違った。お名前を呼びかけると、いつもより少し目を見開き、言葉にならない何かを話された。まさか意識状態が改善してきたかと少し期待し、続けて「調子はどうですか」と尋ねた。しかし私の声は、静かな病室に空し...