人生に喜びはあるか―医療現場の問いと仏教の問い―(3)
向き合うべき問い —四門出遊の問いとALS患者の問い だから「問いにとどまる」ということは「痛みにとどまる」ということもあるのではないかと思うわけです。しかし問いにとどまる、痛みにとどまって尋ねるといっても、どう尋ねたら...
向き合うべき問い —四門出遊の問いとALS患者の問い だから「問いにとどまる」ということは「痛みにとどまる」ということもあるのではないかと思うわけです。しかし問いにとどまる、痛みにとどまって尋ねるといっても、どう尋ねたら...
安田理深先生は「『願生偈』聴記」で、このように述べられる。 浄土は、相から出発するところにはない。相を果とするところの因位、その果となるところの相なき相から出発するところに、あるのである。人間的悩みから出発するのではない...
目次二つの転機対象としての問い — 問題がわかっているという思い込み問いにとどまる問いにとどまるということは痛みにとどまるということ 二つの転機 僕は医療現場で抱いた自信のようなものを二度くずされたと思っているのですが...
仏教の課題につながりにくいと考えて、あまり治る病気のことを書いてこなかったが、神経疾患にはもちろん治癒する疾患もある。そのことも少し記しておこうと思う。 あるとき、五十代の男性が意識障害で救急搬送され、救急診療科より脳神...
(2022年3月26日に行われた『崇信』巻頭言同人会の講話を、『崇信』編集者に文字起こししていただいたものです。) 目次はじめに幼少期の環境と出会い医療の世界へ医療の現場にでて はじめに みなさん、こんにちは。直接お会...
当直中、看護師から電話が鳴った。患者さんがなかなか部屋に戻らず、不穏な状態で困っているとのことであった。この病院では、体調のよい方はデイルーム(談話室)でテレビを見ながら、一緒にご飯を食べるようにしている。食事が終わって...
筋強直性ジストロフィーの方が入院されたときのことである。一時食事量が減り、呼吸状態も悪くなった。すぐに持ち直したが、今後栄養が取れなくなったとき胃瘻を造設するか、呼吸状態が悪くなったとき人工呼吸器を使用するか、などの選択...
わざわざ語る人が少ないのであまり知られていないかもしれないが、実は医師には書類仕事が結構多い。特に脳神経内科医は神経難病や認知症を診るので、難病認定のための書類の他、介護認定、訪問看護やリハビリの指示書など様々なものを扱...
先日、ALSの患者さんが四十三年の生涯を終えられた。昨年十月には手紙を書き(病と生きる(72))、本年三月号には眼が見開いたことを記したばかりであった(病と生きる(76))。長い闘病であった。私ができることは何もなかった...
あまり話題になっていないのだが、実は今、多くの医薬品が供給不足に陥っている。先日薬剤師から、てんかんの発作を抑えるある薬剤が底をつきかけており、確保できる目処も立っていないため、他の薬剤に変更してほしいと言われた。これは...
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