遙かなる記憶
[この記事は『崇信』二〇二五年六月号(第六五四号)「病と生きる(112)」に掲載されたものです] 認知症を診る外来では、記憶ということに着目することが多い。そして、その記憶が失われることをみな恐れ、悲しむ。 最近何かあり...
連載「病と生きる」[この記事は『崇信』二〇二五年六月号(第六五四号)「病と生きる(112)」に掲載されたものです] 認知症を診る外来では、記憶ということに着目することが多い。そして、その記憶が失われることをみな恐れ、悲しむ。 最近何かあり...
連載「病と生きる」[この記事は『崇信』二〇二三年七月号(第六三一号)「病と生きる(91)」に掲載されたものです] 先日、しばらく入院されていたパーキンソン病のかたが退院された。何度か入院しており、今回は前よりも身体の動きが悪くなってきてい...
連載「病と生きる」病室でふと床頭台に目を遣ると、一通の一筆箋があるのに気がついた。奥様からのお手紙であった。いつからそこにあったのだろうか。傍らには他にも何通も置かれていた。コロナ禍の今、病院では直接の面会はできない。受付で受け取ったもの...
連載「病と生きる」このところ続けて臨終に立ち会った。先日も当直室に待機していると看護師から連絡が入った。聴診器とペンライトを持って病室に向かう。心停止、呼吸停止、瞳孔散大(対光反射消失)の三徴候を確認し、死亡時刻を告げる。最後に手を合わ...