風花の供養
突然の肺の病気で心肺停止にまで陥りながら何とか救命された女性。しかし低酸素脳症による高度の脳障害で寝たきりとなり、長年入院されていた。脳障害のせいか四肢はよじれたようになり、ときには動きすぎて危険なため抑制帯をつけられ...
突然の肺の病気で心肺停止にまで陥りながら何とか救命された女性。しかし低酸素脳症による高度の脳障害で寝たきりとなり、長年入院されていた。脳障害のせいか四肢はよじれたようになり、ときには動きすぎて危険なため抑制帯をつけられ...
パーキンソン病は手が振るえたり動作が遅くなったりする病気である。根治療法はないが症状を改善する治療薬があり、他の神経難病に比べると治療による改善が望める。それでも進行してくると嚥下障害により食事が取れなくなることがある...
入院されている患者さんの相談を受けた。以前認知症という診断を受けたが本当にそうなのか診てほしいと言うことであった。初診のときによく行う検査に「長谷川式簡易知能評価スケール」というものがある。今日の日付を尋ねたり、単語を...
「自分が幸せでなければ人を幸せにできない」ある医師がこう言ったことに対して、ずっと強い違和感を抱いていた。幸せという言葉の意味にもよるが、自分の欲求が満たされて余裕がなければ相手にやさしくできない、とも言っていた。そうい...
「患者さんが泣いています。一度診てください。」担当の患者さんではなかったし、心の問題は精神科の領域となる。私の専門分野は神経内科だが、よく精神科と混同される。心の病は精神科や心療内科が担当で、神経内科は脳卒中やパーキン...
先日、新たにALS(筋萎縮性側索硬化症《きんいしゅくせいそくさくこうかしょう》)の患者さんが入院された。頸部には気管切開といって、空気を通す管を入れるための穴が開けられており、人工呼吸器がつながれている。進行が早く、診...
日常の生活では、人の死に立ち会うということはそう多くはない。しかし医療現場ではそれが頻繁に起こる。突然のこともあれば、長く入院されていて徐々に身体が弱っていくこともある。思い返せば様々な方の死があった。 先日も当直を...
「あんなふうになる前に死にたい」重い認知症の患者さんについて、このように言うのを病棟で耳にすることがある。それを聞く度に何とも言えない悲しい気持ちになる。認知症の患者さんには、食事の介助をはじめ、入浴介助、下の世話まで...
病院では様々な場面で治療の選択を迫られることがある。他の疾患もそうだが、神経疾患ではときに厳しい選択となる。これまでにもとりあげてきたALS(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう筋萎縮性側索硬化症)という疾患は、進行す...
先日、私の祖母がお浄土に還った。もともと住まいは奈良だったが、調子が悪くなってからは、以前にも紹介した、寺に併設する老人ホームで過ごしていた。昨年末から調子が悪く、一時血圧も下がり、いよいよ、と思われたが持ち直した。そ...