第11回 人間であるが故の苦悩(4) —「寄り添う」を妨げるもの
前回は孤独ということについて、早川一光医師のことばを通して確かめた。「さみしい」ということは、状況を整えれば解決できるようことではない問題を孕んでいる。誰も自らの死を代わるものはいない。そういう意味でかけがえのないいのち...
前回は孤独ということについて、早川一光医師のことばを通して確かめた。「さみしい」ということは、状況を整えれば解決できるようことではない問題を孕んでいる。誰も自らの死を代わるものはいない。そういう意味でかけがえのないいのち...
多発性硬化症《たはつせいこうかしょう》(MS)という神経疾患がある。神経細胞を覆っている髄鞘《ずいしょう》という部位に対して自己の免疫が誤ってはたらき、神経障害が多発する。投薬によって症状は一旦改善するが、繰り返し再発す...
このたびの新型コロナウイルスの問題には、生きるという事態についてさまざまなことを考えさせられる。自分が生きるということが、他者のいのちと繫がっている、さらにいえば傷つけているということを改めて気づかされる。感染症というの...