名が聞こえる場所
[この記事は『崇信』二〇二三年九月号(第六三三号)「病と生きる(93)」に掲載されたものです] 最近、自坊に併設する軽費老人ホーム「受念館」では、職員向けに介護研修を行っている。先月の介護研修が終わった後のことである。以...
[この記事は『崇信』二〇二三年九月号(第六三三号)「病と生きる(93)」に掲載されたものです] 最近、自坊に併設する軽費老人ホーム「受念館」では、職員向けに介護研修を行っている。先月の介護研修が終わった後のことである。以...
[2023年8月10日受念寺盂蘭盆会の講話をまとめたものです] 昨年のお盆では、「供養」ということをお話しさせていただきました。供養という原語から確かめましたね。尊敬する、敬うという意味だというところから始めました。それ...
[この記事は『崇信』二〇二三年三月号(第六二七号)「病と生きる(88)」に掲載されたものです] 昨年十二月、「本人の意向を尊重した意思決定のための相談員研修会」というものに参加した。意思決定を支援する相談員の育成と、AC...
もうすぐ百歳になろうかという方が介護施設から入院してこられた。もうしばらく寝たきりであった。食事が食べられなくなったから「原因を調べてほしい」ということらしい。少し耳を疑った。限りある生命は、いずれ手足も胃腸も脳も働き...
Dさん(仮)へ こんにちは。今回、少しお手紙を書かせていただきました。というのも、全くコミュニケーションがとれない閉じ込め状態のDさんと、どのように向き合ったらよいのかわからず、どうしてもDさんのところにいる時間が少なく...
病室でふと床頭台に目を遣ると、一通の一筆箋があるのに気がついた。奥様からのお手紙であった。いつからそこにあったのだろうか。傍らには他にも何通も置かれていた。コロナ禍の今、病院では直接の面会はできない。受付で受け取ったもの...
たまたま『アンサングシンデレラ』という病院薬剤師が主役の漫画を手にした。最近ドラマ化したらしい。それを読んで17年前のことを思い出した。私は大学病院で神経内科の研修を終えた後、市民病院で内科の研修中で、呼吸器内科を回って...
その日は少し呻き声が違った。お名前を呼びかけると、いつもより少し目を見開き、言葉にならない何かを話された。まさか意識状態が改善してきたかと少し期待し、続けて「調子はどうですか」と尋ねた。しかし私の声は、静かな病室に空し...
最近は病院で「認知症外来」も受け持っているのだが、ご家族からしばしばこのように相談を受ける。「仕事を辞めて以来、夫はずっと家でごろごろしている。何かをしてほしいんですけど。」 そうして、何か趣味を見つけましょうとか、...