シンクロとズレ
[この記事は『崇信』二〇二三年一月号(第六二五号)「病と生きる(86)」に掲載されたものです] 認知症の母の介護に手を焼いている、と息子さんから相談があった。尿や便を頻繁に漏らしてしまうという。膀胱括約筋の働きは弱くなる...
[この記事は『崇信』二〇二三年一月号(第六二五号)「病と生きる(86)」に掲載されたものです] 認知症の母の介護に手を焼いている、と息子さんから相談があった。尿や便を頻繁に漏らしてしまうという。膀胱括約筋の働きは弱くなる...
[この記事は『崇信』二〇二二年十二月号(第六二四号)「病と生きる(85)」に掲載されたものです] 認知症で通院されていた患者さんが、新型コロナウイルスに感染し別の病院に入院された。奥様も感染したが、症状が重かったこのかた...
今回は認知症という疾患をとおして考えていきたい。認知症とは脳の病気であると一般的には考えられている。確かに脳の神経細胞に特殊なタンパク質が蓄積し、神経細胞が破壊され減少することで、記憶障害、見当識障害などと呼ばれる高次脳...
認知症外来で実施される検査に「長谷川式簡易知能評価スケール」と呼ばれるものがある。医療に携わる人なら誰もが知る有名な検査で、認知症の診断に欠かせないものとなっている。この検査を開発した長谷川和夫先生は認知症医療の第一人者...
認知症で通院している患者さんのご家族から、「すぐに怒るようになった」と相談があったことを以前紹介した(『崇信』二〇一九年五月号「病と生きる(45)」)。患者さんご自身は、家族がいる時は何も話されず、二人になったときに、生...
「私は死んだ」そんな奇妙なことを言うのだ、と認知症外来でご家族から相談があった。夢を見たとか、そういうことではなく、死んだのだという。あまり流暢にはお話はできないが、直接尋ねても「そう、死んだ」とそこだけははっきりと答え...
認知症外来でのことである。付き添いの奥様がお疲れの様子であり、あとでそのわけを伺った。すると最近夫が暴力的で困っているという。普段は穏やかなのだが、急にスイッチが入ったように目の色を変えて手を上げると。認知症だからでしょ...
みなさんは藤川幸之助さんという詩人をご存じでしょうか。お母さまがアルツハイマー型認知症の診断をうけて24年間介護されました。2013年に出版された詩集『徘徊と笑うことなかれ』のあとがきには、お母さまにとっては人生の三分の...
「最近すぐに怒るようになったんです」認知症外来でご家族から相談があった。たとえば、いつも昼になっても起きてこないから起きるように言うと激怒するという。認知症では相手を否定してはいけないと聞いたが、なんでも放っておいたら...
「苦しまないように最期を迎えられるようにしてください」介護施設から紹介され入院した、まもなく百歳になる女性のご家族の希望である。しかし現在とくに症状はない。ではなぜ入院したかといえば、食事が摂れなくなったからだという。...
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