扉の向こうへの手紙
Dさん(仮)へ こんにちは。今回、少しお手紙を書かせていただきました。というのも、全くコミュニケーションがとれない閉じ込め状態のDさんと、どのように向き合ったらよいのかわからず、どうしてもDさんのところにいる時間が少なく...
連載「病と生きる」Dさん(仮)へ こんにちは。今回、少しお手紙を書かせていただきました。というのも、全くコミュニケーションがとれない閉じ込め状態のDさんと、どのように向き合ったらよいのかわからず、どうしてもDさんのところにいる時間が少なく...
連載「病と生きる」コロナ禍と他者 危惧していたことが現実になった。医療が受けられないままに新型コロナによって自宅で亡くなっていく方が続出している。妊婦の方が入院できず自宅で出産し新生児が亡くなるという痛ましいニュースも耳にした。大変な非常...
連載「病と生きる」病室に伺うと、テレビでオリンピックを見ておられた。多系統萎縮症のため寝たきりとなった方である。会話も難しくなってきたが何とか聞き取れる。オリンピックはどうですかと尋ねると、応援していますとおっしゃたが、その返事は懐かしそ...
連載「病と生きる」新型コロナウイルスの第四波が襲う五月、私の外来に通うCさん(仮)が新型コロナウイルスで亡くなった。そのころ関西圏では重症化しても入院できない事態に陥っており、Cさんも入院できず自宅で亡くなったと連絡があった。私自身、医療...
連載「病と生きる」大脳皮質基底核症候群という神経難病の方が入院された。病状は進行しており、寝たきりである。そんな重度の障害がある場合、いつ急変するかわからないことから、急変時に延命治療をするかどうか、あらかじめ意思を確かめることが多い。そ...
連載「病と生きる」先月号で、新型コロナウイルスのために病院では面会できないことを取り上げたが、これだけ感染が拡大し、変異により感染力も毒性も増している中では、院内で一人発症することが大勢の死亡につながる事態となる。しかも重症化しても設備の...
連載「病と生きる」病室でふと床頭台に目を遣ると、一通の一筆箋があるのに気がついた。奥様からのお手紙であった。いつからそこにあったのだろうか。傍らには他にも何通も置かれていた。コロナ禍の今、病院では直接の面会はできない。受付で受け取ったもの...
連載「病と生きる」多発性硬化症《たはつせいこうかしょう》(MS)という神経疾患がある。神経細胞を覆っている髄鞘《ずいしょう》という部位に対して自己の免疫が誤ってはたらき、神経障害が多発する。投薬によって症状は一旦改善するが、繰り返し再発す...
連載「病と生きる」認知症外来で実施される検査に「長谷川式簡易知能評価スケール」と呼ばれるものがある。医療に携わる人なら誰もが知る有名な検査で、認知症の診断に欠かせないものとなっている。この検査を開発した長谷川和夫先生は認知症医療の第一人者...
連載「病と生きる」いまやマスクをして出歩くのは当たり前の光景となった。仕事で一日中マスクをしてきた私としては特に違和感がないが、慣れない方は大変かもしれない。医療従事者が常にマスクをしているのは、感染抑制に一定の効果があるからであり当然の...