延命治療(2)
大脳皮質基底核症候群という神経難病の方が入院された。病状は進行しており、寝たきりである。そんな重度の障害がある場合、いつ急変するかわからないことから、急変時に延命治療をするかどうか、あらかじめ意思を確かめることが多い。そ...
大脳皮質基底核症候群という神経難病の方が入院された。病状は進行しており、寝たきりである。そんな重度の障害がある場合、いつ急変するかわからないことから、急変時に延命治療をするかどうか、あらかじめ意思を確かめることが多い。そ...
前回は孤独ということについて、早川一光医師のことばを通して確かめた。「さみしい」ということは、状況を整えれば解決できるようことではない問題を孕んでいる。誰も自らの死を代わるものはいない。そういう意味でかけがえのないいのち...
「自己とは何か」という問いを、私がいかに生きるかという問いにおいて確かめた。私がいかに生きていくかということは、いかに死んでいくかという問題である。それは突き詰めれば、人間は「独りぼっちで死んでいかなければならない」ので...
目次自己とは何か「無我」の教説色受想諸行識「自己がない」のではない 自己とは何か 我われは、私が私であること、私であることの意味を渇き求めているということを前回確かめた。老病死によって、これこそ私であると信...
先月号で、新型コロナウイルスのために病院では面会できないことを取り上げたが、これだけ感染が拡大し、変異により感染力も毒性も増している中では、院内で一人発症することが大勢の死亡につながる事態となる。しかも重症化しても設備の...
(第7回はディスカッション形式の授業だったため、まとめはありません。) 目次葛藤に立って苦行を放棄するということ降魔の物語が意味すること中道人間とは苦悩する者縁起の観察と患者の苦悩 葛藤に立って 前回はNH...
病室でふと床頭台に目を遣ると、一通の一筆箋があるのに気がついた。奥様からのお手紙であった。いつからそこにあったのだろうか。傍らには他にも何通も置かれていた。コロナ禍の今、病院では直接の面会はできない。受付で受け取ったもの...
目次どうして歩み出せたのか我われは何を本当に欲しているか苦悩する心と真実を求める心 どうして歩み出せたのか 前々回から、老病死の苦悩について、釈尊の四門出遊の課題を通して確かめている。老病死の苦悩とは、「生...
目次問題の出発点生きる意味と「諸行」人間にとって信頼とは何か「無常」がもつ課題無常であると知ったらどうするか 問題の出発点 前回から、ALS患者の苦悩を、釈尊の四門出遊の課題を通して確かめ始めている。ALS...
これまでの3回で、苦悩に向き合う態度を確かめた。一つには苦悩を確かめるという学びについて、二つには自分自身が問われるということについて、三つには、人間として生きるということについてである。これらを踏まえてALS患者の声の...